私たちは食べ物を口にすると、それを口の中でよく噛み砕いて唾液と混ざり合わせ、飲み込むのにちょうど良い大きさの塊りにして舌で喉に送り込みます。
食べ物が喉に送られてくると、喉の奥にある喉頭蓋(こうとうがい)が反射的に気管の入り口を閉じることで食道の入り口が開き、そこに飲食物が入っていきます。
高齢者は加齢とともにこの反射機能の低下や歯が抜ける。舌の動きが鈍くなる。といったことで咀嚼(そしゃく)能力低下(噛む力などの低下)に伴い唾液分泌量が減ってきて飲込みにくくなる事があります。(個人差があります)
そういった唾液量を補うには、水溶き片栗粉、くず粉、コーンスターチ、バターと小麦粉を混ぜたブールマニエ(フランス料理)などを使ってとろみを付けた料理にすると飲込みやすくなり、食べやすいので食事も美味しく感じます。
また、口腔感覚の鈍化などから喉に食べもを送る事が遅れるような口腔の問題があり、嚥下機能が落ちてくると、嚥下反射の反応が悪くなり、水やお茶、味噌汁のように粘度の低い液体は動きが速く、誤って気管に入ってむせてしまう事があります。
このように気管の入り口 に飲食物が入り込んで誤嚥をよく起こすようになると、それが原因で肺炎(誤嚥性肺炎)も起きやすくなります。
水やお茶、味噌汁などでむせやすい場合は、市販のとろみ調整食品などでゆるめにとろみをつけることで、液体の流れがゆっくりになりまとまりやすくなるため、スムーズに飲み込むことができます。
場合によっては嚥下機能(飲込み具合)に応じたとろみにすることも必要です。
①食べる前に口を大きくあけたり、つぼめたりするなど口の体操をする。
②顎下腺・耳下腺(あごのエラ辺り)をマッサージして唾液腺を刺激する。
③良く噛んで食事をする。(噛む回数を多くする)